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「 瓜食む記-子供との日々 」

 

奈良の南の 入り口で夫婦子一人の生活をしています。ぼくが自由業のため子どもと過ごす機会の多い日々です。
「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠しなさぬ」
は山上憶良が子どもを思って詠んだ有名な歌ですが、毎日が瓜食むような日常を綴っていきたいと思います。






「 洋服ブラシと部屋の片付け 」

 子供が生まれて部屋の片づけを始めました。

それまでのうちは「散らかっていないけど片づいていない」状態で、引っ越しの片付けも終わらないまま子供が生まれ、段ボールに囲まれたような状態で暮らしていました。ものは箱に入っているので散らかってはいませんが、まあ、子供にとって望ましい環境ではないですよね。それで、これではいかんと思い立って、子供が一歳を過ぎた頃でしょうか、片づけをはじめました。

参考にしたのがこの本。「人生がときめく片づけの魔法2」。こんまりさんこと、近藤麻理恵さんの有名なベストセラーなので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。「2」なのは、近所の図書室でたまたま見かけたからです。


段ボールこそそのままでしたが、うちは物も少ないし、すぐ終わるだろうと思っていたのですが。
正直、ようやく落ち着いたと思えるまで、一年以上かかりました。ここ一年ほど、暇さえあれば片づけ片づけ片づけ。
ふり返れば長い道のりでした。
いまとなっては口が裂けても「うちは物が少ない」とは言えません。

正直、どれだけ捨てたか分からないほど、捨てて捨てて捨てました。ぼくは本を、妻は服を。割とよくある構図です。「物が少ない」と自負していた分、手元にあるのは執着のこびりついたものばかりで、絶対に使わないと分かっていても、怨念を断ち切るのに時間がかかった気がします。

こんまりさんも言っていますが、片づけは過去の自分と向き合う作業です。片づかないのは、過去に「かたがついていない」からです。過去の自分と(愚行と)向き合うのはそれはそれで辛い作業ですが、物事を片づけるとはそういうことなんでしょう。ずいぶん執着も断ち切ったので、憑きものもだいぶ落ちたんじゃないでしょうか。


しかし、ぼくたちの片づけが困難を極めたのは、執念のせいというより、なにより子供がいたからでした。

こんまりさんの本は参考にしましたが、本のとおりにはまったく出来ませんでした。
大人二人が本気でやれば、ものの数日で(数週間で)終わったかもしれません。ですがぼくらは、片方がフリーのときは、もう片方が仕事に出る状態で、大人だけの時間はまったくありませんでした。

そして、子供といっしょの片づけは、それはもう混迷を極めるものでした。

子供のいる方なら分かると思いますが、一歳頃の子供というのは、それでなくても散らします。
目につくものをポイポイポイポイ。
本棚の本は出す、引き出しは全部開ける、洋服はぐしゃぐしゃ、ティッシュペーパーを箱から引き出し、トイレットペーパーは滝、カバンの中身はぶちまける、財布からはカードと小銭がぼろぼろ……。要するに、目に入るものすべてを散らします。

個人差はあると思いますが、うちは割とひどかったんじゃないかと思います。ですが、この秩序を壊す行為は、大人にとってははた迷惑でも、子供にとっては大切な発達過程なんだそうです。この段階で、思う存分、破壊行為の出来なかった子供は、発達が遅滞するというか、そのあとで、本当の意味で秩序を作ることが出来ないとも。
なので、本当は思う存分、子供の好きなようにさせてあげるのがいいんだろう、と思います。ですが、悲しいかなそうは出来ないのが現実です。







ここまでは好きなだけめちゃくちゃにしていい場所を作ってあげるといいと聞きました。
本物の代わりにおもちゃを渡してあげるといい、とも。ですが、まあ、そうはうまくいかないでしょう。
散らすなんてあっという間。「散らかしてもいい」ゾーンをあっという間に散らかすと、向かうのは「触って欲しくない」ゾーン。囲いを作っても、どけるまで騒ぎますから意味はないです。

子供は色柄に反応するので触って欲しくないものはモノトーンで隠すといいと物の本で読みましたが、効き目はゼロ。モノトーンのブックカバーでそろえた棚は、あっという間に破壊されました。そして丁寧に一冊ずつブックカバーをはがしていました。

本物の代わりにおもちゃをあげるのも無意味でした。おもちゃなんて見向きもしませんでした、うちの子供は。子供だっておもちゃより本物がいいみたいです。


うちは台所も好きに入れたので(賃貸なので柵がつけられないのです)、ぼくがついうとうとしているうちに、ふと気づくと床がダイズにまみれていたこともありました。(干し椎茸にまみれていたこともありました。)そのなかで片づけをしているので、ますます物は散乱のし放題。
そのころのうちの散らかり様は、すさまじいものがありました。床が物で見えないなんて日常です。

いま思えば、一歳頃の子供といっしょに、よく片づけなんて始めたなあと思いますが、だからこそ片づけたかった面もありました。
物事には旬があるんでしょう。ずいぶん苦労はしましたが、おかげで子供の暮らす環境はだいぶ整ったと思います。
まだまだのところもありますが、許容範囲のところまで。

そして、片づけの終わったいまは次の段階、掃除洗濯です。なんだかこんなふうに言うと、ぼくたちがすごくきれい好きみたいに聞こえますが、別にそんなことはありません。
ぼくも妻も、どちらかというと片づけられない人間で、掃除も洗濯も出来ることならしたくない、片づけをしたくないから物を増やさない、負の発想で生きてきました。
ですが、部屋が整ってくると、ひとりでに掃除も洗濯もしたくなるから不思議です。
動機は単純。その方が快適だからです。
掃除も片づけも、やればやるほどスッキリするので、それがストレス解消になる面もあります。


それでようやく、洋服ブラシです。
片づけのまっただ中、散らかりきった部屋で暮らしていたときは、毎日毎日、探し物ばかりしている生活でした。それがいまは、脱いだジャケットにブラシを当てるまでになりました。以前のぼくにしたら、とても信じられない行動です。
ブラシ片手に、よくこんなことをしているなあと、我ながらしみじみしてしまいます。ですがそれは、使うたびに汚れを落としておいた方が、長い目で、結局手間がかからないと学んだからだけなのです。

子供のためにはじめた片づけでしたが、本当に成長させられているのはぼくたちなんだろうと思います。






◇次回の瓜食む記は12月の20日〜末頃の更新です。
 

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