「 瓜食む記-子供との日々 」

 

奈良の南の 入り口で夫婦子一人の生活をしています。ぼくが自由業のため子どもと過ごす機会の多い日々です。
「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠しなさぬ」
は山上憶良が子どもを思って詠んだ有名な歌ですが、毎日が瓜食むような日常を綴っていきたいと思います。






「 いつものもしも、子供の防災 2 」

前回6月の記事に、大阪の地震のすぐあとだったので、子供と防災の話を書きました。今回はそこに書き切れなかった分もあるので、続きを書きたいと思います。


子供の頃、『冒険図鑑』という本が好きでした。
その名の通り、冒険にまつわるあらゆることを網羅した図鑑で、写真ではなくイラスト、2色刷りのソフトカバーで、単行本くらいのサイズ。見開き両ページにワンテーマで、左側にイラスト、右側に文章という作りの本でした。
キャンプの仕方からはじまって、野草の見分け方、火のおこし方、ふんどしのつけ方、はてはモカシンの作り方まで載っているものすごく内容の充実した本で、いまこんなすごい本が作れるのかなあと思います。

うちの子供にも、いまはまだ早いですが、読ませたいと思っていますが、残念ながらぼくが自分で読んでいた本は、実家を処分したときに、いっしょになくなってしまいました。大切なものはめんどうでも、側に置いておかないといけません。


ぼくはこの本の、見返しのページをながめるのが好きでした。
野外へ行くときの荷物が、内側に日帰り、外側に泊まるときで書いてあって、「キャンプするにはこれだけ持って行けばいいのかあ」と思いながら眺めていた気がします。
最近、子供と絵本を見に行ってこの本を見かけたので、ぱらぱらとめくったのですが、この見返しのページを見て、なんだかはっと原点に返るような気がしました。
ぼくが子供の頃からある本なので、そこにあるのは、ちょっと古くさい、でもどこにでもあるような物の一覧。
野外向きではあっても、特別なアウトドアグッズではなく、すぐに手に入るもの。手で持つ懐中電灯とか、大きなラジオ、包丁とまな板、毛布、等々。
これを全部リュックに入れてかつぐにはものすごい量ですが、人が生きていくのに必要な荷物だと思ったら、すごく少ないです。最近、防災とかそういうことを考えていたので、
「そうか、うちも子供とこういうもので生活をすればいいのか」と思ったら、すごく腑に落ちました。

不便かもしれないけど、これだけあったら生活できるものを知っておくのは、安心できる気がしませんか。そういう意味で「原点」です。


同じような感じで、アライテントという山岳テントのメーカーのホームページに、十キロ以下で行く夏山装備の一覧というのがあります。夏山というのもあるんですけど、道具立てがものすごく少なくて、このページを見たときにも、「これだけで山でキャンプができるのか!」と目からウロコが落ちた記憶があります。
ぼくのメモなのでちょっと違っているかもしれませんが、だいたいこんな感じです。
水、食料、シュラフ、シュラフマット、テント、テントマット、ペグ・ロープ類、コンロと燃料、クッカー、カトラリー、水筒、ザック、雨具、防寒着、着替え(靴下、Tシャツ、下着)、雑品(ヘッドライトと乾電池、トイレットペーパー、タオル、地図・コンパス、洗面用具、救急用品等)

ね、ものすごくシンプルでしょ。
これだけの荷物ですむんだったら、夏山キャンプ、できそうな気がしませんか。
少なくともぼくは思いました。
でも、いざ登るとなると、もう少し増えちゃうんですけどね、笑。

なんだか、防災と関係ない話が続きましたが、要するに何が言いたいかというと、防災バッグにつめこむ荷物はこれだけあれば十分、ということです。不便かもしれないけど、これだけあれば生活できる最低限の荷物です。



前回、子供と防災の話を書いてから、立て続けに西日本豪雨、台風21号、北海道地震と起こりました。
なんだかこれだけ災害が続くと、備えとか、防災とか、あらためて言っているのがバカらしくなりますね。いまさら想定外でしたとは言えないってことです。

子供がいると防災は悩ましい問題じゃないでしょうか。
何も考えないという手もありますが(笑)、大人だけならなんとかなるで済ませられても、現実問題、子供がいるとそうはいきません。うちはすこし大きくなってきましたが、乳幼児だったらなおさらでしょう。
南海トラフの大地震が起こったら国は一週間は支援できないと言っているので、自分たちでなんとかするしかないだろうなあと思います。


この夏、暑かったのもあって(今年の夏の暑さは災害だったと思います)、防災のこともうだうだ考えていたんですけど、あるときふと思ったんですよね。

「あれっ? ぼくはどうして〈もし起きたら〉と思ってるんだろう?」って。
「〈もし起きたら〉じゃなくて、災害なんて、〈十年後かもしれないけど、必ず起きる〉んじゃないだろうか」って。

そう考えたら、目が覚めたというか、一気に物事が前に進みました。建設的に物事を考えられるようになったというか。〈もしかしたら〉と思っているから物事が進まないので、〈いつか必ず〉と思うこと。〈十年先の災害への備え〉がコンセプトです。



この機会なので、妻とも話しあって、予算も時間もきちんと割くことに決めました。お金も労力もかかりますが、必要なことですから。それで、これまで後回しにしてきたことが、一気に片付きました。

いちばんにやったのが、部屋の片づけを終わらせること!
身近な防災にいちばん必要なのはこれだろうと思います。
これまでコツコツやっていたので、だいぶ終わってはいましたが、最後の分を捨てたり、リサイクルショップに出したり、古本を持って行ったり、長かった道のりがとうとう終わりに近づきました(それでもあと一息!残っています。なかなか片付かないものですねえ。)壊れかけていた掃除機も買い換えたので、ずいぶん部屋もきれいになりました。

その次にやったのが、ガラスの飛散防止フィルム貼りです。
これもずっと、やろうやろうと言いながら、後回しになっていました。
でも、実際にやってみると、貼れないところもあったんですが(磨りガラスだったので)、できる分はやりました。うちの子供もいっしょにやってくれましたよ。小さい家具が飛ばないように、移動防止のジェルを貼るのも子供がやってくれました。

その次が、水と食料の備蓄です。
備蓄するスペースをつくるのにも、片づけは必要ですよね。
理想的には、一ヶ月分くらいあるといいのかなあと思いますが、うちの広さを考えると、二週間が限度といったところ。水だけで膨大な量になってびっくりですが、必要なものですからねえ。
詳しいことは省きますが、食べ物はローリング・ストック。非常用の特別なものは買っていません。東北の震災のあと、あわてて非常食を買ったら、賞味期限がきたときに消費するのが大変、という苦い経験をしたので、うちはやめました。
ふだん食べるものを一袋多めに、という感じです。といっても、食べ物を管理しているのは妻なので、ぼくが全部やってるわけじゃないんですけど。すみません。

それから、防災用品の補充でしょうか。
このとき参考にしたのが『被災ママに学ぶ小さな防災のアイデア40』という本です。「ママ」じゃなくて「パパ」でも役に立ちます。図書館で借りた本ですが、この本がいちばんためになりました。
いちばん素人目線というのでしょうか、防災の専門家の本は、そろえておくものの巻末リストが十ページくらいあったりして現実的じゃなかったですが、この本がいちばん、ぼくたちの立場に近かったです。地方暮らし、共働き、子供がいて、防災の素人で、何にも備えをしていなかったらどうなるか、それがいちばんリアルに描かれていて、「うちもやっとかないと」と鳥肌が立ちました。やっぱり、困るのは自分たちですからね。

詳しくはこの本を読んでいただくとして、おおまかにまとめると、「明かりはあればあるほど良い」「水まわりはやっぱり大事」「その家庭の事情で必要な備えを」です。 この本を見てぼくたちが実際にそろえたものです。

〈トイレ回り〉非常用トイレ3週間分(これ重要!)、トイレットペーパー3週間分
〈ガス回り〉カセットコンロ、ガスボンベ3週間分
〈明かり回り〉懐中電灯×各部屋に1個、ヘッドライト×3、ランタン×3
〈水回り〉ウォータータンク(5リットル×3、10リットル×2)、バケツ×大中小


想定しているのは、非常事態3日+自宅避難3週間です
。 災害が何でも、本当の緊急事態は3日、あとは自宅避難、家が燃えたらあきらめます。
物はそろえ出すときりがないので、とりあえずこのくらい。その意味で、必要なものは〈アライテントの装備〉に戻るわけです。

最近、子供が好きでよく読んでいるのが、『米だし大黒』という絵本です。
「花さかじいさん」と同じ種類の話なのですが、正直者のじさまとばさまが、土に埋もれた大黒様を拾ってきました。きれいに洗って拝んでいると、大黒様の鼻の穴からぽろぽろ米粒が出て来るようになります。それを聞いた隣村のじさまとばさまが大黒様を借りに来ます。欲張り者のじさまとばさまが、もっと米を出すように鼻の穴を大きくすると、米の代わりにたくさんの泥が出てきて、ぜんぶを押し流してしまった、という話です。

子供はこの話が好きで、きゃっきゃっと笑いながら聞いていますが、ぼくはこれを読んでいると、なんだかいまのぼくたちを言われているような気がして身につまされます。
本当は、鼻の穴から米がちょろちょろ出て来るように、水道から水がちょろちょろ出ていれば十分なはずだったのに、もっともっと、ガスも、電気も、自動車も、ソーラーも、wi-fiも・・・としているうちに、ぜんぶ泥で押し流されてしまった、と。
この絵本の裏表紙で、大黒様が泥の中でにこにこ笑っているのが、大人が見るとゾッとします。


さてさて、なんだか辛気くさい話が続きましたが、長かった防災の話もこれでおしまい。
『冒険図鑑』でも持って、子供と遊びに行くことにしますか。




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