ようこそお越し下さいました。hitofushiでございます。
私の郷里は、その昔全国の割箸の80%を生産していた吉野杉箸の産地です。そんな割箸の町の中でも私は、父方が「吉野杉箸の卸問屋」・母方が「吉野杉箸職人家」というちょっと珍しい「生粋の吉野杉箸血筋」に生まれ育ちました。
木屑をおもちゃに祖父の箸工場で遊んでいた幼い頃は、町中に箸作りに関わることを生業にしているお宅があり、機械の音や軒下に干された箸の花が町を賑やかに彩っておりました。
それがいつしか、安価な輸入製品の普及や「全ての割箸=環境破壊の温床」という間違った情報が国産割箸離れを引き起こし需要が減り、次の世代に家業を継がせることが出来ない職人達の高齢化は進み、割箸産業従事者が減っていく・・・という悪循環が始まり、町の伝統産業は風前の灯となってしまったのです。既に郷里を離れて久しい私でしたが、郷里に帰るたびに街からはお箸の花が消え、工場の機械の音が消え・・・年々強まるこの伝統の衰弱の様子に「自分を育ててくれた吉野杉箸への自分に出来る恩返し」生まれた時から吉野杉箸と暮らしてきた自分こそが、その良さをもっともっと伝えなくては・・・と「伝える責任」を感じるようになりました。
そしてそこから、
吉野杉箸と同じように輸入製品や大量生産品の陰にかつての活気が失われた昔ながらの技と道具を次の世代へ伝え残し、それらの道具と暮らす生活の中から、忘れかけていた日本の良さや、今まで気付かずにいた面白さを感じてほしい・・・というコンセプトをもったhitofushiが誕生したのです。
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hitofushiは「日と節」。
hitofushiは「一節」。
にっぽんの暮らしは お日様と節目を大切にしてきました。
わたしたちもまた「一節」として
にっぽんの暮らしの“素敵”を次の世代へと 受け伝えたいと思うのです。
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hitofushiで紹介しています暮らしの道具達はみな不揃いで、手入れに手間と時間のかかる世話の焼ける子たちかも知れません。中には、湿気で反ったり乾燥で縮んだりするようなものもあります。ですがそれはみんな道具たちが生きている証拠。個性のある道具たちと一緒に暮らす、そんなふうに道具の息吹を感じながら大切に使っていただけると嬉しく思います。
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