江戸の手植えブラシ/豚毛衿洗いブラシ
江戸のご城下では数多くの産業が盛んになり、たくさんの職人が活躍していました。その中のひとつの刷毛つくりは職人の数はわずかになりながらも今な東京の伝統的な手しごととして受け継がれています。一束ずつ手植えするこちらの靴ブラシは毛が抜けず、プロや大切なものを大事に手入れしたいこだわりのある方々に愛用され続ける逸品として知られています。
こちらの手植えブラシは、衿洗い用として職人に提案してもらったもの。頭部のワイヤーがむき出しになったままの仕上がりですが、水を使う用途のブラシの場合、植えた毛の根元が蒸れることが腐食につながり毛切れの原因になりますので品質保持のためにもこの状態での仕上げとなっています。
植毛の方法は靴や洋服のブラシと同じ。大きな毛束のから無動作に一束分をつまみ上げ、木の台座に特別な穴を開けたものにステンレスの細いワイヤーで毛を植えてゆく手間のかかる作業です。座布団に正座しずっと同じ姿勢で仕事を続けます。見ていると一連の動作が心地良いのですが、一束分の分量を手の感覚でつまみ上げることも植える技術も正座をし続けることも…すべて熟練の技です。
シャツの衿袖汚れは都度キレイに洗っておかなくては、染み込んだ油分が翌年になって変色して浮き出てきたりするものです。毎年キレイに着られるようにお洗濯前の衿や袖口の予備洗い、部分洗いに洗濯石けんと一緒にお使いくださいね。