有松張正 本豆絞り手ぬぐい
一度は技術が途絶え、浮世絵の中で見るだけの幻の模様になっていた「豆絞り」を張正の先々代と先代のご主人が研究と実験をかさねて技法を再現させたのがこちらの「本豆絞り手ぬぐい」です。
規則的に並んだ点々模様の手ぬぐいが総称して「豆絞り」と呼ばれていますが、良く目にされるのは点々模様をプリントしたものではないでしょうか。本来「豆絞り」は、名前の通り「絞り染め」で点々模様が染め出されるものですから一つ一つの点の大きさは不規則で、その輪郭はにじんでいるのが本物なのです。
点の列の間隔にきっちり屏風畳みしたサラシを細かい桟になった型で、畳んだ畦と桟とがクロスする向きに固く挟んだものを染液に浸けると、桟の間から覗く畦の頂点にだけ液がわずかに染み、広げると染みた部分が丸くにじむというのがその染め方。にじみの加減は職人の感がたよりで、染液に何秒浸けるかで点々の大きさが変わります。二つとして同じ点がないのが本物の「豆絞りてぬぐい」。シンプルな図案ながら粋で飽きのこない、永遠のスタンダード手ぬぐいです。
- サイズ/37× 90cm
- 材質/綿100%
- 点のにじみ方は毎回異なります。