線香花火筒井時正 国産線香花火
99.9%を海外で作られたものがシェアしている線香花火。国産のものが少なくなった中でも、スボ手という稲ワラの軸を使った線香花火を作る職人は筒井さんだけになりました。スボ手ボタンを作り続けて来られた蔭には、ご夫婦を始めとしてたくさんの方のご苦労がありました。
ワラ、松煙、硝石、ニカワと、とてもシンプルな素材で出来ているのに、そのうち「ワラ」「ニカワ」の二つの素材の入手が困難になり、製造をやめざるを得ないのでは・・・というぎりぎりの状態になったことも。そんな八方ふさがりの中でも、諦めずに素材を探し続けてくださったおかげで、今年の夏も「スボ手ボタン」の火花が楽しめると思うと、とても有難い気持ちになりますね。
『西の線香花火』はもともと稲作が盛んで稲ワラが身近で調達できた西日本で作られていたタイプ。『東の線香花火は』稲作があまり得意ではなかった東日本で和紙に包んで稲ワラ形式の代用としたタイプです。いずれも、国産の線香花火の特徴である、火玉が大きく、つぼみ、牡丹、松葉、散り菊と四段階に変化する様子を楽しんでいただくことが出来ます。ワインと同じように線香花火の火薬も熟成いたします。時を経るごとに柔らかくあたたかみのある火花になるそうです。購入時のパッケージに入れ、湿気のないところで保存していただけましたら翌年もまたお楽しみいただけます。