中川豪 貫入取り皿
石川県九谷焼の産地で、普段は奥様と2人で工房あめつちとして九谷焼らしい染付けの作品を製作されている中川さんですが、お一人で制作されるときは九谷のものを混ぜた土を用い釉薬を使って、こういった渋い器を発表されています。
貫入とは釉薬に入る細かいヒビのこと。使うことでこの貫入に色が入り、手に入れたばかりの時よりも深みと趣のある器に育ちます。
オレンジ色〜ピンク色に浮かび上がる色模様は「御本手」と呼ばれる陶芸技法で、窯の中の酸素が少ない状態で焼くことで自然に現れる、古くから茶人に好まれた表現です。
わずかに深さがある取り皿は、煮物など少し汁のある料理にもお使いいただけます。縁の立ち上がりには作り手のこだわりを感じます。新しいものなのか古いものなのか判らないような落ち着いた雰囲気に安心感があり、毎日使っても秋のこない一枚になっています。
1つ1つ手仕事で作られる器には、形や大きさ、土の成分、焼き方などによって個体差が出てきます。釉薬の掛け方によっても濃淡になる場合がございます。 これらをそれぞれの陶器が持つ個性的な味わいとして、器の経年変化を共に味わっていただけたらと思います。
※こちらのお皿には、果物を輪切りにした時に見られるタネのような、模様にも見える目跡 (めあと)がございます。目跡とは焼成時に釉薬が溶着しないよう製品を宙に浮かすか、支えておく道具を使用した時に残る痕跡で、商品価値を下げるようなキズではございません。写真Aは、目跡のはっきりしたもの、写真Bは目跡が殆ど残っていないもの、写真Cは目跡のないものです。お好みのお皿をお選びくださいませ。
複数枚ご入用のお客様は、お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。
・寸法:直径/約16cm 高さ/約3cm(深さ約2.5cm)
・初めてお使いになる時は、米のとぎ汁で15分ほど煮沸したのちそのまま冷めるまで放置し、その後水洗いする「目止め」処理をおすすめします。
・粘土を用いて作られる陶器(土物)は吸水性があります。長時間食品を入れたまま、浸けたままにしないでください。
・割れる恐れがありますので食洗機、乾燥機、電子レンジ、オーブン等のご使用はお控えください。
<工房あめつち>
中川豪
・1976年 東京都生まれ
・2001年 石川県立九谷焼技術研修所卒業
・2001年 陶芸家 北山 裕氏に師事
・2006年 石川県能美市にて独立