高田耕造商店/シュロの五玉ほうき 短柄
紀州、高田耕造商店のしゅろほうきです。棕櫚(シュロ)とはヤシ科の植物で、まっすぐな幹が一枚のシート状になった繊維で覆われています。日本では昔からこの繊維を一枚ずつ剥ぎ取り、縄や網、たわしの材料として活用してきました。
中でも特に有名な産地が和歌山の海南で、かつてはシュロ山で多くのシュロの木が手入れされていたそうです。
石油製品、電化製品などの普及に伴い、天然素材を使った手仕事の道具への需要は落ち込み、他の産業と同じく、一番最初に材料を扱う人達がシュロの仕事から手を引いていきました。こうした状況の中でも、自分のルーツと向き合いたいという想いで、シュロ山の再生とシュロ製品作りの供給に取り組んでおられるのが高田耕造商店さんです。
こちらのシュロ皮ほうきは、幹から剥ぎ取ったシュロ皮を、シートのまま束にして集め、形成したものです。
シュロのほうきには、シュロ皮から丈夫でまっすぐな「鬼毛」だけを抜き取ってそれを集めて束にした「鬼毛ほうき」と呼ばれる高級なものがあります。そちらは手間と時間と必要な材料の分量が一層必要なため、皮ほうきに比べてかなり高価なものになります。特別に入れた畳の部屋を手入れしたいという想い入れのある方には鬼毛ほうきもおすすめです。
一般的なフローリングのお部屋には皮ほうきで十分事足り、むしろ気兼ねなくお使いいただけると思います。
ただ一点、皮を剥ぎ取ったシートのままで束(玉と言います)にしていますので、繊維と繊維の間にある膜から粉が出ることがあります。そのため、最初のうちはフローリングのお部屋でお使いいただき、数日して粉が落ち着いたのを確認してから畳の座敷のお掃除を始めていただくのが良いと思います。
また、繊維が摩耗してきたら玄関などに、最後には庭箒としてお使いいただけます。使い方次第で、10年、20年にわたって末長く愛用いただくことも可能です。
長い柄のほうきと短い柄のほうきとで悩まれる方が多いのですが、両方を使っているhitofushiは「床に物をあまり置いていない広い場所」には長い柄を「床に物があったり家具を置いている10帖くらいまでの場所」には短い柄をおすすめしています。柄が長いと、知らず知らずのうちに柄に体重をかけてしまい、毛先が広がったりつぶれたりする原因になりがちです。その点、短い柄の物にはもたれることがないので長い柄の物よりも毛先が綺麗なまま長持ちしやすいのです。
物を退かしながら掃いたり家具の下のホコリを掃き出したりする時、また狭い場所を掃除する時などは長い柄では邪魔な場合も多いです。そういう意味でも短い柄は小回りが利いて便利です。高田耕造商店の短柄タイプは短すぎない適度な長さと絶妙に斜めになった毛先のおかげで、軽く屈むだけで床面にピタリと添ってくれます。
玉に強く隙間無く巻かれたステンレスは、丁寧に作られている証。銅線は緩みやすいという理由でステンレス線を使用されています。ほうきの毛も玉ごとに密度や長さにムラが無く均等に詰まっているのも確認しなくてはならない重要なポイントですが、その点もしっかり管理しておられます。
わざわざ掃除機を出すまでもないという時、夜間に音が気になる時、ほうきなら気軽に手に取れるので、思い立ったらすぐにお掃除ができます。掃除機かほうきかと、極端な選択で悩むのではなく、掃除機の方がいいときと、ほうきの方がいいときとがありますので、「暮らしにほうきを足す」という選択肢としてぜひ考えて見てくださいね。
取っ手の穴にほうきの柄を通して、セットして収納することができる天然木ちりとり 大もご一緒にどうぞ。壁に吊るしておくだけで置き場所をとらず、出したままでもインテリアとして成り立ちますよ。
※こちらの商品には個別送料1250円(税別)が設定されています。ご了承ください。
- 寸法:全長約86cm、幅約24cm 厚み約4.5cm 持ち手の太さ約2cm
- 材質:シュロ皮(中国産)、檜(岐阜県産)、ステンレス
- 製造:和歌山県海南市
- 天然素材のため使い始めに繊維の粉が出ることがあります。
- 手作りのため、大きさや形状に若干の違いがあります。